慶應通信に大学中退した社会人のおっさんが挑戦

横浜国立大学中退のIT系上場企業勤務の30代が慶應義塾大学通信教育課程経済学部に入学し卒業を目指す

理系出身者にとっての慶應通信の入試

本エントリは特に私同様に学生時代に理系だった人向けです。文系で学んできた人はスキップしてください。

まず慶應通信の入試ですが、出願書類による選考と、高校や大学を出てからあまり日が経っていない場合は在学中の成績をみるようです。私の場合は30代ということで書類のみの選考でした。

慶應通信の書類選考の概要

氏名や住所、学歴などの個人的な情報に加えて、書評と志望理由を論述します。文字数はあまり多くないですが、小論文のようなもの(以下、小論文と呼ぶことにします)です。 文系出身の場合、大学入試で多少なりと小論文対策をやっていると思いますが、理系出身だと科目数の多い国立志望であってもやらないのではないでしょうか。少なくとも自分はやっていませんでした。

選考結果は

一発合格でした。書類選考は近年厳しくなっているとの声もありましたが、理系出身の拙い文章でも問題ないようです。 これは考察になりますが、その後の教育内容からすると、合格レベルであるかは問わずレポートの体の文章が書けることを見たいようです。 それというのも、今、入学してから1年ほど経ち合格をもらっているレポートも不合格となったレポートも複数ありますが、今にして思えば、私が書類選考に出した小論文のレベルでは明らかにレポートでは合格はもらえません。それにも関わらず合格ということは、入学してすぐにレポートで合格し単位が取れるかは判断基準ではなく、入学後の通信教育、つまりレポート提出が可能であるかを判断しているものと思われます。

準備に要した期間

小論文そのものは書籍を読む部分を含めても2週程度、それも平日夜などの余った時間です。ある程度の個人差はあると思いますが、それよりもむしろ、辞めた大学の在籍記録を請求するなどの事務手続き周りが大変でした。

入試対策をするなら

レポートの書き方を学ぶのが一番だと思います。出席も加味できる通学課程と違い、通信課程ではレポートと試験だけで単位が取れてしまうことから、レポートに対する採点は厳しいようです。裏を返せば求められているのはレポートを書き、提出する能力なので、これを鍛えることが入試対策であり、また入学後にも役立つ勉強になります。いくつかの本の中から自分が実際に買ったのは(入学後ではありますが)次の本です。

この1冊できちんと書ける!  論文・レポートの基本

この1冊できちんと書ける! 論文・レポートの基本

ポイントはWikipedia等のインターネットからの引用に関して言及があったことです。 良書とされる本はいくつもあり大学からも推薦図書の紹介はありますが、古いものだとインターネットに関する言及がなかったり、あっても時代が合わなかったりということがあります。この本は2012年の著ですので本エントリ執筆時点ではまずまず新しい書籍になります。

大学中退のおっさんが慶應通信に入学を決意するまでの道のり

IT系の上場企業で正社員をしながら慶應通信で学生をしています30代のおっさん(子持ち)です。 このブログでは慶應義塾大学通信課程経済学部で学ぶ上で得た気付きなどをまとめることで、誰か一人にでもお役に立ててもらえればと思っています。

仕事と学業、その比重は?

少し俗な表現になりますが、よくある「サラリーマン○○別平均年収」等の調査結果では、ほぼ確実にその水準はクリアしています。何が言いたいかというと、通信大学関係のブログにありがちな『アルバイトしながら最短で卒業』のように学業中心ではなく、会社の仕事をメインとしているということです。敢えて数字で表すなら、仕事7に対し学業が3でしょうか。

大学の通信教育課程を始めるまでの悩み

自分が通信教育を始めようかなと思ったとき、いくつかの悩みがありました。その中の最たるものが、それなりに社会で成功しているのに、リスクを負って大学卒になる必要性があるのかということです。会社の仕事でのポジションを維持し、そして向上していくには、それ相応の努力が必要です。通信大学で学ぶということは、その時間を削ることにもなります。 ですが子供の誕生をきっかけに、そのリスクを受け入れることにしました。高校は全国有数の進学校に通っていたこともあり、将来、子供も同様に進学校に通うのではと想像しました。その時、親、ましてや父親が高卒扱いでは不利な扱いを受ける可能性があります。自分自身にとっても大学を卒業しなかったことはコンプレックスになっていましたので、子供のためという大義名分を手に入れたことで、このリスクテイクに踏み切りました。 また年齢的に30代と、がむしゃらに仕事をする時期は過ぎ、仕事スキル的に欲張りさえしなければ貯金、つまり過去のアドバンテージだけで、普通以上にはやっていける状態になっていました。このことも決断に対して後押ししました。

学生時代の成績

全国有数の進学校に通っていただけのことはあり東大理1志望で、成績的にも現実味はそれなりでした。ただ、家庭が貧しく高校へは奨学金をもらって何とか行っていた状態でしたので、学費のかかる私立大学は難しく、国立専願にせざるを得ない状況。そんな中、センター試験の結果が思わしくない(650/800くらい)ため、東大を回避して地元神奈川の横浜国立大学に入学しました。たらればの話なのであまり意味はありませんが、同級生の進学先を見る限り、私大だと早慶でも問題なく行ける程度の成績でした。

大学中退その後

その後いろいろとあって大学を中退して社会に出ることになります。IT業界の2000年問題バブルも終わり、いわゆる就職氷河期に大学中退で就職活動をするという、今にして思えばあり得ない状態にありました。そんな中出来る事はあまり多くはないですから、たまたま縁のあったIT系企業(上場企業でも何でも無いただの零細)に入社してからは死にもの狂いで勉強し、仕事に関するスキルを身につけてきました。 最初は零細企業からスタートして、勉強し成果を出したらそれを元に1ランク上の企業に転職。それを何度か繰り返していくうちに、冒頭で書いたように勤め先は上場企業となり、収入面でも大学をきちんと卒業した人たちに遜色ないようになってきました。

きっかけ

IT業界では土日や業務終了後に業界の人同士(会社は別々)が集まって勉強する【勉強会】というイベントがあります。内容は言葉通りで、特定のテーマでの勉強(業界内で有力な人を講師として呼ぶこともあれば、参加者同士で持ち回りで研究発表することもあります)をします。もちろん大半は社会人同士なので、終わったあとはお酒を頂いたりもしますが、あくまでメインは勉強部分です。この勉強会でたまたま知り合った人が、社会人生活をしながら通信大学で勉強されていたのが自身にとってのきっかけです。

慶應通信を選んだ理由

通信大学で検索するとたくさんの大学が出てきます。そんな中で私が慶應通信を選んだのは以下の理由からです。

  1. 慶應のネームバリューが自身の大学中退コンプレックスの解消によかった
  2. 学費が驚くほど安かった
  3. 卒業難易度が非常に高いとの評判で、ここで学ぶことが身になると考えた

この順番は私の中の理由の推移でもあります。

1はわかりやすいですよね、見たままです。そして慶應通信に興味を持つ人のきっかけとしてかなり人気のあるものではないでしょうか。(とはいえ、大っぴらにそれを言う人は少ないかもしれませんが…) 大切なのはその後でして、まずは2にある通り学費が安いです。慶應義塾大学ということで結構高そうではありますが、実際のところはかなり安く、今現在、毎年の学費は年間10万(スクーリングは除く)でテキスト込みです。卒業までとなると、スクーリングや卒業論文指導などが加わるのでもう少し高くなりますが、それでも国立の通学課程と比べても学費は安いと言えます。 そして最後の3ですが、いざ勉強しようと思うとその結果として本当に力を付けたいと考えるようになりました。お金で卒業資格を買うのでは無く、苦労したなりのレベルアップを。あくまでネットの評判ではありますが、慶應通信は通信制大学としては卒業難易度が非常に高いとの評判でしたので、その点もクリア出来ると考えて選びました。